日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、生産性向上推進要綱の2017年度フォローアップ報告書をまとめた。人工(人日)当たりの完成工事高を指標とした、会員企業の17年度の生産性は土木・建築平均で9万0093円となり、前年度比2・6ポイント上昇した。土木は8万6442円(4・4ポイント上昇)、建築は9万1873円(1・6ポイント上昇)で、いずれも16年度に引き続き上昇傾向となっている。
報告書の作成は、16年4月に策定した生産性向上推進要綱に沿った取り組み。会員企業の生産性向上に向けた施策の進捗(しんちょく)を調査しており、今回、17年度分をまとめた。
生産性向上への取り組み姿勢に関する調査では、「喫緊の最重要課題」と位置付ける企業が13ポイント増加し38・8%を占めた。目標値や期限は定めていないものの重要課題としている企業を含めると74・5%となる。
生産性向上の目的を問う質問では「週休2日の実現」(85%)が最多となった。また、「国などの方針・施策」と回答した企業が35・7ポイントと大幅に増え75・5%となった。
生産性向上に向けた具体的な取り組み内容については「ICT人材の増強」、「機械メーカー、ソフトウエア会社など関係業界との連携強化」などと回答した企業の増加が目立った。
また、土木分野では「ICTツールの普及・推進」や、「ICT土工の推進」に取り組む企業が多く、「効果が出ている」とする企業が9割を超えていた。
建築分野では「プレキャスト化、工場生産などによる現場作業の削減」に取り組む企業は44%にとどまるものの、そのうち5割強の企業が期待以上か、または期待通りの成果が上がっていると回答した。
生産性指標の他に、生産性向上に向けた目標値を定める企業も大幅に増加。週休2日や時間外労働など、労務管理に関する指標が多かった。
生産性向上への障害は、「ICT技術者など社内人材の不足」(79・6%)が最多。
発注者などへの要望では「適正工期の確保」が最も多く、特に建築で16・3ポイント増加し61・2%となった。
提供:建通新聞社