全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(3)四国ブロック
■地域を支える、一生を託せる職場環境整備と処遇改善を実現
全国建設業協会(全建)と国土交通省との2018年度四国ブロック会議が10月19日に高知市内で開かれた。全建が掲げた「経営の安定化」と「働き方改革、生産性向上」をテーマに、将来の担い手確保や働き方改革など6議題について四国建設業協会連合会(四建連、吉村文次会長)と国土交通省が意見を交わした。
あいさつに立った四建連の吉村会長は「将来の担い手不足の懸念は深まるばかりで、優れた人材の確保・育成は喫緊の課題である。地域を支える産業として安心し、一生を託せる職場環境の整備と処遇改善を実現していく努力が求められている」と改めて地域建設業の維持と健全な発展の必要性を強く訴えた。
国交省の北村知久建設流通政策審議官は「建設業が将来にわたり大切な役割を果たす上で、担い手の確保と生産性向上は車の両輪」。岡村次郎技術調査課長は7月豪雨災害など、今後、頻発する大規模災害の対応について説明した上で「随意契約や現地の実情に応じた予定価格の算定を行っている」と述べ、円滑な復旧作業が進むよう、環境整備を行う考えを示した。
また、四国地方整備局の平井秀輝局長は「働き方改革は、短期間に効果を出さなければならない働きやすさ改革と、中長期の視点で取り組む働きがい改革の二本柱と考えている。即効性と将来の建設業のため関係者が一丸となり取り組んでほしい」とあいさつした。
四建連からは▽国土強靱(きょうじん)化、経済競争力強化と活性化、地域を守る建設業の維持確保、社会資本整備の推進と公共事業予算の確保▽7月豪雨災害に係る予算確保や、円滑な復旧工事の施工確保のための諸施策▽将来の担い手確保と働き方改革▽生産性向上のためのi−Constructionの推進▽地元優良建設企業の受注機会の確保の徹底▽防災協定により出動した場合の災害補償―の6議題について提案した。
将来の担い手確保や働き方改革については、週休2日制導入に向けた設計労務単価の引き上げ、補正係数の見直しなどを要望。これに対して国交省は「設計労務単価の上昇が技能労働者の賃金水準の向上につながるよう、休日、賃金実態を把握し次年度の労務単価に反映する」と回答。
また、i−Constructionの推進で四建連は、技術者の育成、適正な利益の確保に向けた積算基準の見直しなどを要望。国交省はICT活用の普及促進など、生産性向上に向けたさまざまな施策でICT活用の普及と人材育成などを一層展開するとして、業界に理解を求めた。
提供:地方建設専門紙の会