国土交通省は11月16日、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術部会に設置した「国土交通技術行政の基本政策懇談会」の中間まとめを公表した。「データ駆動型の行政」を提唱し、同省が保有するインフラや気象などさまざまなデータに基づいて政策を立案・実施することを求めた。民間のデータとも連携させイノベーション(技術革新)を促すとともに、社会実験などを通じて新技術の社会実装を迅速化すべきとした。
データ駆動型行政の具体施策には▽データ利活用戦略の策定▽インフラデータプラットホームなどのデータ連携基盤の構築▽局・省庁横断的な社会実験―などを提案した。
分野別の政策の方向性も示した。気候変動を踏まえた防災対策では、中小河川への水位計の増設を提案。また、河川整備と、適正な土地利用による事前復興、グリーンインフラの活用などを合わせた「防災川まちづくり」の実施を求めた。
インフラの維持管理については、管理者単位でメンテナンス情報を蓄積するプラットホームの構築を提案。点検・診断の実務を担う技術者が不足している地方自治体への人材支援制度の創設も必要とした。
都市・地域マネジメントの関連では、産学官が保有するデータを新技術と組み合わせ、都市運営に生かす「スマートシティ」の推進を打ち出した。
交通政策では、複数の交通手段を統合して一つのサービスと捉えるMaas(Mobility as a Service)の考え方を重視。バスタ新宿などの総合交通ターミナルの整備を官民連携で全国展開すべきだとした。
提供:建通新聞社