全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(2)近畿ブロック
■公共事業の必要性強く訴え
全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省による2018年度近畿ブロック会議が10月15日に大阪市内で開かれた。事前に開かれた地域懇談会で全建が掲げたテーマは「経営の安定化」と「働き方改革、生産性向上」。これを踏まえ、近畿建設業団体協議会からは、公共事業予算の安定的・持続的な確保や入札契約制度の改善を含む6議題を提案。国交省側は、将来の担い手の確保、地域の守り手としての持続可能性など、建設業を巡る諸課題の解決に向けた取り組み状況を説明した。
冒頭、当番幹事としてあいさつに立った大阪建設業協会の奥村太加典会長は、「今年も全国で地震や台風などの自然災害が相次ぎ、近畿でも広範囲に被害が見られた。世界に負けないインフラ整備とまだまだ脆弱な国土の保全に向けて、さらなる国土強靱(きょうじん)化が必要」との考えを示し、あらためて大幅な予算確保と公共事業の必要性を強く訴えた。
各府県の建設業協会からは、▽公共事業予算の安定的・持続的な確保と社会資本整備の推進(大型補正予算の早期編成、19年度当初予算の公共事業費増額)=福井建協▽地域地元中小建設業者への最優先発注および受注機会の拡大(3億円未満の工事発注量増加など)=和歌山建協▽入札契約制度の改善(二封筒事後審査型、最低制限価格・低入札調査基準価格の引き下げ、総合評価・段階選抜方式の新たな取り組みなど)=奈良建協▽週休2日制の推進(必要経費の計上、試行拡大など)=兵庫建協▽設計・積算および施工について(i―Construction推進支援など)=京都建協▽働き方改革における建設業の担い手確保について(適切な設計労務単価設定など)=滋賀建協―の6議題をそれぞれ提案した。
国交省からは土地・建設産業局の野村正史局長、五道仁実大臣官房技術審議官らが出席。近畿地方整備局の黒川純一良局長は、「高潮で多数の死者が出た第2室戸を教訓に対策を実施した結果、第2室戸より潮位が高かった今回の台風21号でも大阪の中心市街地での被害がなかった。社会資本整備は大切」と再認識し、道路事業を含め必要な公共投資を進めていく考えを示した。
提供:地方建設専門紙の会