国土交通省と総務省は11月9日、2018年度補正予算の成立を受け、公共工事の円滑な施工確保を要請する通知を全国の地方自治体に送った。通知では、予定価格の適正な設定、ダンピング対策の強化、災害復旧事業の入札契約手続きの迅速化などを要請。公共工事の施工確保に重要な役割を果たす調査・設計の発注においても、工事に準じた対応を求めた。
入札契約適正化法に基づき、国交省土地・建設産業局長と総務省自治行政局長の連名で全国の都道府県・政令市に通知した。都道府県に対しては、管内の市町村への周知を求めた他、建設業団体と建設関連業団体にも参考で送付している。
7日に成立した政府の18年度補正予算は、西日本豪雨や北海道胆振東部地震などからの復旧・復興に予算を配分。通知では、災害復旧事業を円滑に発注できるよう▽適正な予定価格の設定▽ダンピング対策の強化▽設計変更等の適切な実施―などの他、建設業の働き方改革に向けた適正な工期設定などを求めた。
災害復旧事業の入札契約については、国交省の「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」を踏まえ、随意契約や指名競争入札を活用し、可能な限り手続き期間を短縮するよう求めた。
一方、測量業務、地質調査業務、建設コンサルタント業務などの調査・設計についても、公共工事に準じて、適正な予定価格の設定やダンピング対策の強化を図ることを要請した。予算成立後などに適正な施工確保を求める自治体向けの通知で、調査・設計の円滑な実施を求めるのは今回が初めて。
建通新聞社