国土交通省がまとめた直轄工事等契約関係資料によると、2017年度の直轄工事の落札率は92・52%(単純平均)となり、前年度と比べて0・52㌽上昇した。16年4月と17年4月の低入札価格調査基準の引き上げなどを受け、2年連続で上昇した。17年度に契約した工事件数は6・9%減の1万3568件、契約総額は4%減の1兆8665億円といずれも減少している。
直轄工事では、16年4月に低入札価格調査基準を見直し、現場管理費の算入率を80%から90%に引き上げ。17年4月にも直接工事費に含まれる労務費の算入率を95%から100%に見直した。この結果、調査基準価格の平均値は予定価格の約90%に上昇している。
低入札価格調査基準の2年連続の引き上げが、落札率の上昇にもつながった。16年度に0・78㌽増の92%となったのに続き、17年度も92・52%と0・52㌽上昇した。
落札率を部局別に見ると▽地方整備局=92・56%(0・46㌽増)▽地方整備局・港湾空港関係=92・19%(0・6㌽増)▽北海道開発局=93・28%(0・81㌽増)▽航空局・地方航空局・地方運輸局など=90・04%(2・27㌽増)―といずれも上昇している。
入札不調の発生件数(再発注手続きを行い、17年度中に契約した件数)は11・4%増の460件。入札辞退が1者以上あった工事は64・2%減の2099件と大幅に減少した。入札辞退者数も24%減の延べ5602者と大幅に減った。
建設コンサルタント関係業務の落札率も、1・28㌽増の84・59%に上昇した。建設コンサルタント関係業務でも、16年4月と17年4月に低入札価格調査基準を引き上げており、2年連続の落札率上昇につながった。契約件数は3・6%減の1万4415件、契約金額は7・1%増の3714億円だった。
提供:建通新聞社