トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2018/11/07

債務負担活用、市区町村に重点的に要請

 国土交通省は、施工時期の平準化が遅れている市区町村のうち、年間の発注金額が年間100億円を超える市区町村に債務負担行為の活用を重点的に要請する。債務負担行為の活用は、施工時期の平準化や生産性向上に効果があるが、年間の発注金額が50億円以上ある市区町村でも、半数以上で債務負担行為を活用した経験がない。まず、発注金額が大きく、施工時期を平準化した際の効果も大きい、年間の発注金額100億円以上の市区町村55団体に対し、債務負担行為の活用を求める。
 国交省は、地方自治体に対し、工期が年度をまたぐ大型工事だけでなく、工期が12カ月未満の工事でも、施工時期を平準化するための債務負担行為の活用を呼び掛けている。
 ほとんどの都道府県と政令市で平準化を目的とする債務負担行為の活用が進む一方、政令市を除く市区町村では、債務負担行為を活用している市区町村は35・3%にとどまる。この3年で、債務負担行為を活用する市区町村の割合は12・6ポイント増えたものの、国・都道府県・政令市に比べると依然として活用率は低い。
 過去3カ年の発注金額の平均では、年間発注金額が10億円未満の市区町村の活用率が16・8%と最低で、10億〜50億円が25・8%、50億〜100億円が41・6%、100億円以上が56・7%となっている。
 発注金額が少ない市区町村ほど、活用率が低いが、市区町村の総発注金額の過半は、発注金額50億円以上の市区町村の発注で占めている。100億円以上の市区町村にまず重点的に債務負担行為の活用を求め、それ以下の市区町村への浸透を狙う。
 合わせて、市区町村の発注・契約部局が債務負担行為を設定しやすい環境も整備する。都道府県によると、市区町村に施工時期の平準化を求めると、債務負担行為の活用や繰り越しに関して「法律上の明確な位置付けが必要」との声が多いという。市区町村の財政部局が債務負担行為の活用に難色を示すためだ。
 同省は、債務負担行為や繰り越しの活用などを入札契約適正化法に位置付けることを検討している。自治体がこの規定を根拠に平準化に取り組みやすくする。

提供:建通新聞社