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2018/11/06

事前公表 「切替予定なし」が25団体

 国土交通省は、47都道府県の予定価格の公表時期を調査した。調査結果によると、8月時点で予定価格を事前公表している都道府県は30団体(事後公表との併用を含む)で、このうち25団体が事後公表への「切り替えの予定はない」と回答。切り替えない理由には、予定価格を探ろうとする不正行為の防止を挙げる都道府県が13団体と最も多い。同じ調査では、事前公表を採用している都道府県ほど、不正な働き掛けに対する職員向けのマニュアルを作成していない結果も出ている。
 2014年9月に閣議決定した入札契約適正化指針では、予定価格を入札前に公表すると、競争の制限による落札価格の高止まり、入札参加者の見積もり努力を損なわせるといった弊害を招くとして、各発注者に事後公表とするよう求めている。
 ただ、地方自治体に対して事前公表を禁止する法令の規定はなく、指針でも、弊害が生じた場合の速やかな事後公表を求めるとしている。
 国交省・財務省・総務省が行った「入札契約適正化法等に基づく実施状況調査」(8月1日時点)によると、予定価格を事前公表している都道府県は全体の63・8%に当たる30団体(全件事前公表14団体、事前・事後公表の併用16団体)。07年9月時点の調査で、事前公表を採用していた都道府県は39団体と83%に上っており、近年は事後公表に移行する都道府県が増えている。
 ただ、事前公表を採用する都道府県30団体に事後公表への切り替えの予定を聞いたところ、25団体が切り替えの予定はないと回答。事前公表から事後公表への切り替え、事後公表の対象拡大を予定している都道府県(検討含む)は、千葉県、三重県、京都府、鳥取県、広島県の5団体だった。
 事後公表に移行しない都道府県は「職員による贈収賄事件などを契機に事前公表に移行した」などと、不正行為の防止を事後公表に移行しない理由に挙げるところが13団体と最多。この他、「予定価格を自社見積もりの妥当性の参考としているという中小規模の事業者の意見も多い」といった回答もあった。
 不正行為を防止する観点で、事後公表を採用している都道府県には、不正な働き掛けに対する対策を講じているところが多い。全ての工事で事後公表を採用している17団体のうち、不正な働き掛けに対するマニュアルを作成しているのは13団体、一部で事前公表を採用している17団体でも12団体がマニュアルを作成済み(1団体は作成予定)だ。

提供:建通新聞社