自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(品確議連、根本匠会長)の総会が11月2日に開かれ、品確法改正に向けた関係団体へのヒアリングが行われた。日本建設業連合会(日建連)は、災害復旧への随意契約の活用を促す「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」を「法規範に格上げし、全国の地方自治体が模範とすべき」と強調。全国建設業協会(全建)は、災害対応に当たる資機材・人材を確保できる安定的な事業量、災害対応に従事する作業員が死傷した場合の補償などを求めた。総会では、次期通常国会への改正法案提出に向け、プロジェクトチームを立ち上げることも決めた。
会合の冒頭、根本匠会長は、今夏の大規模災害における建設業の対応に感謝し「品確法改正に向け、業界の声を丁寧に聞く必要がある。日本を支える建設業が成長できるよう、議連としても尽力したい」とあいさつした。
ヒアリングには▽日建連▽全建▽全国中小建設業協会(全中建)▽建設産業専門団体連合会(建専連)▽建設コンサルタンツ協会(建コン協)▽全国地質調査業協会連合会(全地連)▽全国測量設計業協会連合会(全測連)▽全国建設労働組合総連合(全建総連)―の8団体が出席。
日建連の山本徳治事務総長は、大規模な災害復旧工事を担う会員企業の現状を説明した上で「発注者からは随意契約で迅速に発注してもらっている」とも言及。その上で、国交省の「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」を法律に格上げし、地方自治体が適切に随意契約を活用できる環境整備を求めた。
全建は、公共機関と会員企業が締結している災害協定の理解にばらつきあると「初動対応が遅れることになる」(伊藤淳専務理事)と問題提起。2次災害の危険がある中、作業員が災害対応時に死傷した際の補償を協定に位置付ける必要性も指摘した。
全中建の土志田領司副会長は、各企業が働き方改革を進める上で施工時期の平準化を推進する重要性を強調、債務負担行為や繰り越しを積極的に活用するため、「公共工事を単年度予算の原則から除外すべき」と訴えた。
建専連の才賀清二郎会長は、適正価格・適正工期での受発注、週休2日制の積極的な導入を図るとした5月の総会決議について説明。全建総連は公共工事設計労務単価の引き上げと賃金への反映を求めた。
建設関連業3団体は「『公共工事』の品質確保から『公共事業』の品質確保へ」(建コン協)、「災害時の地質調査業への割増積算の適用」(全地連)、「災害査定業務の作業指示の統一化」(全測連)などを求めた。
提供:建通新聞社