東日本建設業保証は、同社管内の中小建設業を対象とする2017年度の決算分析(『建設業の財務統計指標』)をまとめた。企業の総合的な収益性を示す「総資本経常利益率」の平均は、前年度の4・72%から5・02%に0・3㌽上昇、2年連続して改善した。また、生産性の指標である「一人当たり付加価値」の平均は、前年度の1054万円から1084万円に上昇した。業種や地域、経営規模で差はあるものの、ほとんどの指標が改善を示す結果となった。
同社に決算書(17年4月期〜18年3月期)を提出した企業のうち、東日本23都県内に本店がある、総合工事業(土木建築・土木・建築)、電気工事業、管工事業を専業としている2万2088社を対象に調査した。
「総資本経常利益率」を業種別で見ると、電気が6・53%で最も高く、建築が3・58%で最も低かった。売上高別では30億円以上のクラスが7・09%と最も高く、1億円未満のクラスが2・28%と最も低かった。
都県別では福島の6・55%が最高で、以下、東京6・35%、岩手6・29%、山形5・75%と続いた。山梨が最も低く3・16%だった。地区別で見ると東北が5・76%と高く、甲信越が3・53%と低かった。
同調査は06年度から実施しており、総資本経常利益率の平均が最も低かったのは09年度のマイナス1・73%。8年間で6・75㌽上昇したことになる。
総資本経常利益率の関連指標である「売上高経常利益率」の平均も、前年度の2・69%から3・02%に上昇した。
資金の流動性を示す「当座比率」の平均は、前年度の271・55%から285・35%に上昇した。業種別では電気の359・24%が最も高く、243・52%の建築が最も低かった。都県別では、315・59%の福島が最高で、263・09%の栃木が最低だった。
財務体質の健全性の指標である「自己資本比率」の平均は、前年度の30・83%から33・20%に上昇した。電気が45・73%で最も高く、28・92%の土木が最低だった。都県別では青森が42・45%と最も高く、静岡の18・00%が最低だった。
平均1084万円に上昇した「1人当たり付加価値」を業種別に見ると土木建築の1217万円が最高で、管の941万円が最低だった。売上高別では、30億円以上のクラスが1970万円と最も高く、1億円未満のクラスが679万円で最も低かった。地区別での最高は東北の1147万円、最低は甲信越の952万円。都県別では東京の1315万円が最高で、以下、宮城の1296万円、福島の1268万円、愛知の1178万円が続いた。新潟が943万円で最も低かった。
提供:建通新聞社