国土交通省は10月29日、「港湾におけるICT導入検討委員会」を開き、ICT活用工事の2018年度の実施状況を報告した。2018年度に本格運用をスタートしたICT浚渫工では、施工部分のICT化を図るモデル工事を直轄工事6件で実施。ICT基礎工(投入・均し)や、ICTブロック据付工のモデル工事も実施し、18年度末に試行工事に向けた基準類を整備するとした。
ICT浚渫工では、マルチビームを使用した3次元起工測量と3次元出来形測量、3次元設計データを活用した数量計算などを行う。18年度にはWTO・A等級を発注者指定型、B・C等級を施工者希望型で発注する実施方針も定め、9月末までに52件を公告済み。
18年度は、起工測量、出来形測量、数量計算に限っているICT活用を施工に拡大。3次元データを活用し、リアルタイムで施工状況を可視化できるようにする。公告済みの52件のうち、直轄工事6件でモデル工事を実施した上で、18年度末に積算要領をまとめ、19年度の試行、20年度の本格運用を目指す。
18年度はこの他、ICT基礎工で7件とICTブロック据付工で9件のモデル工事を行い、同年度末に測量マニュアルや出来形要領、積算要領を整備するとした。
また、桟橋(上部工、本体工、付属工)を対象にCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入も進める。既に直轄の設計10件でCIMモデル作成業務を委託しており、18年度末に「CIM導入ガイドライン(港湾編)」をまとめる。
提供:建通新聞社