建設経済研究所と経済調査会は、2019年度の建設投資(名目値)を前年度比2・7%減の55兆1500億円とする見通しを明らかにした。7月時点の見通しに対しては600億円の上方修正だが、19年10月の消費増税に伴う駆け込み需要の反動減により、持ち家と分譲戸建て住宅の着工が減少するとみており、前年度の投資額を下回るとの予測は変えていない。18年度の建設投資は、西日本豪雨などの災害復旧費に追加された予備費などを反映して1900億円上方修正し、1・2%増の56兆6700億円になるとみている。
19年度の建設投資は前年度を2・7%下回ると予測しているが、過去10年で見れば18年度、17年度に次ぐ3番目に高い水準となる。
このうち政府建設投資は、各府省の概算要求、地方単独事業費を横ばいで試算したものの、一部が次年度の出来高になる18年度補正予算案に盛り込まれた公共事業関係費を追加していないため、6・1%減の21兆4300億円になると見込んでいる。
民間住宅投資は1%減の16兆0700億円、住宅着工戸数は3・6%減の92万9300戸になると予測した。持ち家は6・1%減の27万5000戸で、住宅ローンの低金利の効果が弱まっていることに加え、駆け込み需要の反動減の影響も出る。貸家は相続税の節税対策による着工が一服し、2・3%減の39万5000戸になる見通しだ。
分譲住宅は、マンションが販売適地の減少の影響で4・1%減の107万9000戸、戸建て住宅が駆け込み需要の反動で0・6%減の144万7000戸にそれぞれ減少する。
民間非住宅建設投資(建築、土木)は0・2%増の17兆6500億円と横ばいで推移。着工床面積は、事務所と倉庫で前年度と変わらず、工場が1%増、店舗が1・9%減になると予測した。
提供:建通新聞社