自民党法務部会は10月23日、新たな在留資格での外国人受け入れ拡大について、関係業界へのヒアリングを行った。建設業からは、日本建設業連合会(日建連)の山本徳治事務総長が出席し、「基本的には(新たな在留資格での受け入れを)拡大してもらいたい」と求める一方、「外国人労働者の受け入れが日本人の給与の引き上げや休日確保に水を差すことがないよう配慮してほしい」などと注文した。
山本事務総長は、建設現場の労働需給について「東日本大震災以降、おおむね人手不足の状況が続いている。職種、地域によっては不足感が強まっている」と説明。その上で「最大の課題は高齢化。全就業者の4分の1を占める60歳以上の技能者は10年後にはその大半が引退する」との危機感を示し「建設業界として、いかに若年入職者を確保し、育成するかが喫緊の課題だ」と強調した。
新たな在留資格での外国人労働者については、受け入れの拡大を容認する一方、国内人材の処遇改善に配慮することに加え「現場での安全教育、技能訓練ができるだけの日本語教育をお願いしたい。建設投資が減少した場合の不法滞在にどう対処するかも明らかにしてほしい」と求めた。
政府は、外国人労働者の本格的な受け入れに向け、新たな在留資格を創設する方針。24日召集の臨時国会に提出される出入国管理法改正案では、新たな在留資格は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類を創設。在留期間の上限を5年とする特定技能1号は、技能実習2号の修了者ら即戦力となる外国人が取得できる。特定技能2号への移行には、各業種の所管省庁が定める試験への合格が必要。2号の資格を取得すれば、家族の帯同を認め、在留期間に上限は設けない。
建設業では、国交省が専門工事業団体を対象に外国人雇用の意向や人材確保の現状を調査。専門工事業団体が試験を実施することを条件に、受け入れの意向がある職種に限り、新たな在留資格の活用を認める考えだ。
提供:建通新聞社