太陽光発電事業を環境影響評価(環境アセスメント)法の対象とすることを視野に入れた検討を始めている環境省は、太陽光発電事業者を対象としたアンケート調査の結果をまとめた。地方公共団体が制定した環境アセスメント条例に基づくアセスを実施した事業は5事業、地方公共団体が策定したガイドラインや環境配慮指針に基づくアセスを実施したり、自主的に実施した事業は11事業あった。一方で、自主的に環境調査や保全対策を行ったものの、地域住民や地方公共団体との意見交換を実施していないとした事業が27事業、これら全てを実施していないとした事業も7事業あった。
この調査は条例アセスを実施した16事業者、自主アセスを実施した4事業者、太陽光発電協会(JPEA)会員の26事業者を対象に行った。調査票の回収率は39%。
事業者が地域住民を対象に行った説明会などで指摘のあった環境問題は「水の濁り」が17件(18%)と最も多く、「土砂災害」が15件(16%)でこれに続いた。
環境アセスを実施した事業のうち、「景観」への影響を調査・予測・評価したのは19事業(43%)で、地域住民などからの景観への影響に関する懸念や苦情、要望は、全て工事実施前の段階で寄せられたものだった。
また、「土地の改変による動物への影響」についても38事業(88%)で施設建設の前に調査を実施している。「土地の安定性」への影響については、環境アセスを実施した全ての事業で調査していた。
提供:建通新聞社