政府は9月28日、今夏に発生した西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震などの被害を踏まえた「重要インフラの緊急点検」について、118項目を対象に実施することを決めた。電力喪失による致命的な機能障害の恐れがあったり、人命を守るために機能を確保する必要がある重要インフラ(電力、空港、港湾、鉄道、河川、道路など)を対象に、関係する11府省庁が緊急点検を行う。
緊急点検は、21日の関係閣僚会議における安倍晋三首相の指示を受けたもの。11月末に対応策をまとめ、補正予算などで対策費を措置する。
西日本豪雨により、高梁川水系小田川では、バックウォーター現象による堤防決壊が発生。氾濫水が5bを超える水深となり、多数の死者・行方不明者が出た。バックウォーター現象が発生する恐れがある1級河川約1万4000河川、2級河川約7000河川で緊急点検を行う。
西日本豪雨では、高速道路、幹線道路に土砂が流入して通行止めが発生しており、高速道路・直轄国道約3万4000`で法面と盛土を点検。航空輸送上重要な空港16カ所では、浸水などに対する電源施設の対策状況を点検する。北海道胆振東部地震での大規模停電を教訓に、火力発電所と再生可能エネルギーの脱落、送電線の故障などの危険性も点検する。
提供:建通新聞社