全国中小建設業協会(全中建、豊田剛会長)は、改正労働基準法による時間外労働の罰則付き上限規制の建設業への適用をにらみ、「働き方改革に向けた具体的な取り組みについて」決めた。長時間労働の是正では、完全週休2日制を目指すが、当面、技術職は4週6〜7休に取り組む。また、毎週1日はノー残業デーにする。
政府の『働き方改革実行計画』に基づく改正労働基準法による時間外労働の上限規制は、2019年4月の改正法の施行後、5年の猶予期間を経て24年4月から建設業にも適用される。これに対応するため今回、長時間労働の是正や処遇改善、生産性向上などを内容とする取り組みをまとめた。
長時間労働の是正のうち週休2日制については、基本的に完全週休2日制とする。当面、技術系は4週6〜7休に取り組む。週1日のノー残業デーは、各企業で曜日を選択して実行する。
会員企業は、個社の事情を踏まえ、5年間での週休2日制導入について年次計画を立てて段階的に実行。最終的に4週8休の完全週休2日制に移行する。
処遇改善では、女性が働きやすい職場環境を整備するため、「快適トイレ」の採用など、現場の設備を充実させる。
また、生産性の向上に向けて、小規模現場に活用できるICTを導入し、試行的に施工する。また、国土交通省が進める「土木工事書類スリム化計画」を積極的に実践するため、国に要望している書類の簡素化に関する地方自治体への指導を引き続き要望する。
全中建は、取りまとめの中で、働き方改革の実現には「施工段階ごとの発注者の理解と協力が必要」だ指摘。施工の平準化▽適正工期の設定▽適切な労務単価の設定▽柔軟な設計変更・工期延長―などの施策が、国や地方自治体、民間事業者の末端にまで浸透するよう、関係機関に周知や指導を求めていく。
提供:建通新聞社