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中央ニュース

2018/09/21

所有者不明土地の抑制 土地制度見直しへ

 国土交通省は9月20日、国土審議会土地政策分科会特別部会を開き、所有者不明土地の発生抑制、解消に向けた議論をスタートさせた。所有者不明土地の利用促進を柱とした特別措置法の成立に続き、土地を適切に管理、利用するため、所有者が追う責務の明確化などを検討する。土地基本法見直しも視野に入れ、2019年2月に土地制度見直しの方向性を提言する。
 特別部会は、昨年12月に所有者不明土地の利用の円滑化を求める中間報告を提言。国交省はこの提言を踏まえ、所有者不明土地に利用権を設定できる「地域福利増進事業」の創設などを盛り込んだ特別措置法案をまとめ、6月の参院本会議で可決、成立した。
 昨年12月以来、9カ月ぶりに再開した特別部会では、特別措置法による所有者不明土地の利用促進策に続き、所有者不明土地の発生抑制を目指した土地制度の見直しを検討する。登記制度、土地所有権の見直しを検討している法務省の有識者会議とも連携し、所有者不明土地の解消を狙う。
 現行の土地基本法は、高い土地利用ニーズを前提としており、人口減少で利用ニーズが低下する中、利用価値の乏しい土地の利用・管理の在り方を議論する。現行の土地基本法は、利用・取引に当たっての事業者・国民の責務を規定しているが、単に土地を所有している際の規律が明確ではない。
 所有権の公示による権利関係の明確化(法的管理)や土地を自然に帰す管理を含め、土地所有に伴う利用・管理に関する責務を明確にする。

提供:建通新聞社