農林水産省は2018年度の概算要求で、公共事業費として前年度比21・1%増の8308億円を要求した。このうち一般公共事業費は21・7%増の8115億円で、災害復旧等事業費は前年度と同額の193億円。
公共事業費の内訳を見ると、農業農村整備(3917億円)と治山(729億円)、森林整備(1468億円)、水産基盤整備(854億円)がいずれも22%増の要求となっている。海岸整備(48億円)と農山漁村地域整備交付金(1100億円)は20%増の要求。
農業農村整備事業では、農業の競争力強化と国土強靭(きょうじん)化に向けて、老朽化した農業水利施設の長寿命化や豪雨・耐震化対策、農地の大区画化、水路のパイプライン化などを推進する。
また、農業水路などの長寿命化・防災減災事業として254億円を要求。農業水利施設の機能を安定的に発揮できるよう、機動的・効率的な対策を施す。
農業農村整備事業と防災減災事業の中で、ため池緊急対策も予定。全国の農業用ため池の緊急点検結果などを踏まえ、下流の家屋などに被害を及ぼす恐れが高いため池を対象に緊急的・総合的な対策を支援する。
森林整備事業では、新たな森林管理システムが導入される地域を中心に間伐や路網整備などを推進する。同じく林野関連として、治山事業では激甚化する豪雨災害に備え、荒廃した山地の復旧・予防対策、総合的な流木対策の強化などに取り組むとした。
水産基盤整備事業では、産地市場の統合や養殖適地の確保といった取り組みと連動した基盤整備を実施。漁業地域の地震・津波対策や、旅行施設の長寿命化などにも予算を投じるとした。別途、漁港の機能増進にも45億円を充て、流通・養殖機能強化に向けた施設整備などを支援する。
この他、食料産業・6次産業化交付金などにより、太陽光発電などの再生可能エネルギーを地域の農林漁業の発展に生かす取り組みや、地域のバイオマスを生かした産業化に必要な施設整備の支援などを推進する。
提供:建通新聞社