国土交通省は、技能者に対する継続教育を支援する「建設リカレント教育」を推進するため、2019年度当初予算に関連経費4000万円を要求した。ICT技術を活用して教育訓練を受けられる環境を整備し、技能者の教育訓練や資格取得を支援。建設キャリアアップシステムを活用した技能者の能力評価、専門工事業の企業評価により、継続教育に取り組む技能者、企業が市場で評価される環境も整える。
建設業に求められる技術・技能を入職後に学び直す「建設リカレント教育」は、17年度補正予算に関連経費が計上され、スマートフォンで技能を映像で学べる「建設技能トレーニングプログラム(略称・建トレ)」を作成したり、VR(バーチャル・リアリティ)を利用した教育訓練への支援などが行われた。
19年度は、人材育成のニーズ、手法を建設業団体に調査した上で、昨年度に作成した建トレのコンテンツ拡充などを検討する。外国人技能実習生が増加していることを踏まえ、コンテンツを外国語で作成することも検討する。
技能者が技能の向上を図り、企業が雇用する技能者を育成する環境を整えるとともに、こうした技能者、企業が適正に評価される市場環境も整備する。
建設キャリアアップシステムに蓄積される就業履歴と資格の情報を活用し、19年度からは技能者の能力評価制度の運用を開始する。継続教育によって資格を取得した技能者が評価され、その評価を技能者の処遇改善につなげる。技能の向上に取り組む技能者を抱える専門工事企業が、市場で高い評価を受けられる企業評価制度も19年度から運用を開始する。
提供:建通新聞社