国土交通省は、6月の大阪北部地震でブロック塀の倒壊による死亡者が出たことを受け、ブロック塀関連の11団体との初回の連絡会議を8月30日に都内で開いた=写真。ブロック塀の製造や設計、施工、販売などに関わる事業者に適切な作業や注意喚起を求めるとともに、国が安全性確保に関する新たなチェックリストを作成することなどを盛り込んだ「ブロック塀等の安全性確保に向けた行動指針案」を申し合わせた。
行動指針案では、国交省・経済産業省の取り組みに、安全性確保に関するチェックリストや、既存ブロック塀などに関する診断基準、チェックポイントの作成を位置付けた。6月に国交省が公表した、ブロック塀の点検のチェックポイントをベースに議論を重ねる。また、地方公共団体に対し、塀の所有者への注意喚起や点検要請を促す他、危険なブロック塀の安全確保に対する支援も行う。
耐震改修支援センター(日本建築防災協会)は、既存のブロック塀の安全確保に向けた診断基準の検討や所有者などへの情報提供に取り組む。
また、各関連団体に電話相談などの窓口を設けることも盛り込んだ。施工者関連団体では安全性確保に対応可能な事業者に関する情報を整理し、必要に応じて相談窓口で提供できる体制を整える。
会議の冒頭、国交省の小林靖大臣官房審議官は「できる限りの政策手段を用いるが、行政だけでは不十分。安全確保に向けて連携し、一丸となって取り組んでいきたい」と決意を述べた。
同会議に参加した団体は▽日本エクステリア建設業協会▽住宅生産団体連合会▽全国建設労働組合総連合▽住宅リフォーム推進協議会▽全国建築コンクリートブロック工業会▽日本DIY協会▽日本建築士会連合会▽日本建築士事務所協会連合会▽日本建築家協会▽住宅リフォーム・紛争処理支援センター▽日本建築防災協会―。
提供:建通新聞社