国土交通省は、建築工事全体にBIMを普及させるため、設計・施工・維持管理の各段階で3次元モデルに付与すべき属性情報を整理する。BIMで構築した3次元モデルが設計から維持管理まで円滑に流通されるよう、発注者・設計者・施工者が求める属性情報を各段階で明確にする。2018年度に検討会を設け、関係者の共通理解を深めるとともに、3次元モデルを流通させる際の課題を抽出する。
BIMは、建築計画の視覚化によって建築主と設計者の意思疎通を円滑にしたり、施工者が施工計画の立案に活用できる効果がある。ただ、現在は、設計者・施工者それぞれが3次元モデルを作成しており、事業者間でモデルを受け渡すケースは少ない。
国交省は、BIMの普及によって建築工事全体の生産性を高めるためには、設計・施工・維持管理の各段階に3次元モデルを流通させる必要があると考えている。
3次元モデルの流通には、モデルの形状情報、モデルに付与する属性情報(室の名称・面積、材料・部材の仕様、仕上げなど)を設計・施工・維持管理の段階ごとに整理する必要がある。
同省では、19年度当初予算の概算要求に調査費を盛り込んでおり、まずはBIMの活用事例を収集。その上で、発注者・設計者・施工者などが参加する検討会も立ち上げ、3次元モデルの形状・属性情報、流通させる3次元モデル作成の費用負担などについて共通理解を得る。
特定行政庁や指定確認検査機関が行う建築確認手続きを3次元モデルで行うことも将来的な課題となる。検討会では、建築確認手続きに3次元モデルを使用するニーズや課題なども関係者に聞く。
提供:建通新聞社