国土交通省は8月13日、下水道事業の広域化・共同化に向けた取り組みの事例集を作成した。人口減少や施設の老朽化によって事業環境が厳しさを増す中、汚水処理施設の統廃合など先行的な施策の計画策定例を紹介している。
同省は1月、総務省と農林水産省、環境省と連名で全国の都道府県に対し、広域化・共同化計画を2022年度までに策定するよう要請。スケールメリットを生かし、施設の管理を効率化するよう求めた。今回の事例集は同計画の円滑な策定に向け、参考にしてもらおうと作成した。広域化・共同化に向けた全国461件の取り組みから20事例を抽出し、課題とその解決策、検討過程、施策効果などをまとめた。
事例集では20事例を事業を主導した主体や進捗、事業スキーム、連携効果、課題などさまざまな観点から分類。利用者の必要に応じて事例を参照できるようにした。
具体的には、北海道旭川市をはじめとした汚水処理の共同化の他、秋田県と県内2市町による事業運営の共同化検討や、東京都区部による災害時のし尿処理・BCP策定、長崎県波佐見町・東彼杵町による維持管理の共同化などの事例を盛り込んだ。
また、事例集の基となった461事例についても、エクセルファイルにまとめて同省ホームページで公表している。
提供:建通新聞社