2018年度第1四半期(4〜6月)に稼働していた国土交通省の直轄工事が約5900件となり、前年同期の稼働件数を約500件上回る見込みであることが分かった。施工時期の平準化に取り組む国交省では、閑散期となる4〜6月の稼働率を上げるため、17年度当初予算に当初予算で初のゼロ国債を活用。1413億円を確保したこのゼロ国債の効果が稼働件数の増加に表れた格好だ。
国交省は、4〜6月に落ち込む施工量を確保し、施工時期を平準化するため、15年度から平準化を目的に国庫債務負担行為を設定している。17年度当初予算には、2カ年国債に前年度額の2倍となる1492億円を確保するとともに、当初予算として初めてゼロ国債1413億円を設定した。
18年度第1四半期の稼働率を上げるため、直轄工事では17年度当初予算で確保した国債工事の契約手続きを前倒し。この結果、第1四半期の稼働件数は約5900件(当初予算計上分のみ)となる見込みで、前年度の稼働件数を約1割上回り、ゼロ国債による閑散期の施工量の押し上げ効果が顕著に出た。
国交省は施工時期の平準化が建設現場の生産性向上と働き方改革につながるして、地方自治体への働き掛けも強めている。6月以降、全国で開いている地域発注者協議会では、都道府県・市町村に平準化の目標値の設定、発注見通しの統合公表への参加などを求めている。
提供:建通新聞社