国土交通省は8月7日に開いた「専門工事企業の施工能力の見える化等に関する検討会」で、専門工事業の企業評価の指標に技能者の動員力を位置付ける考えを示した。企業が雇用する技能者数の評価は、雇用人数の多い2次下請けの評価が1次下請けを上回ってしまうため、建設キャリアアップシステムに登録される「施工体制のパターン」などを活用し、1次下請けの動員力も評価できるようにする。
検討会は、建設キャリアアップシステムに登録される技能者の資格・経験を土台に、専門工事業の企業評価制度を構築する。国交省は、専門工事企業の施工能力を「技能者の人数」と「施工実績」で評価する方針を示している。
このうち、技能者の人数は、建設キャリアアップシステムを活用した技能者の能力評価と連動し、システム登録した技能者数と各技能者の能力レベルで評価する。ただ、1次下請けに直用の技能者が少ない躯体系の専門工事業団体からは「専属的に施工を行う2次下請け企業の技能者の人数を1次下請け企業の評価としてもらえないか」(全国鉄筋工事業協会)といった声が強い。
建設キャリアアップシステムには、各企業の動員力を集計する機能はないが、頻繁に取り引きがあれば施工体制のパターンをシステム上に登録することができる。この機能を活用して企業の動員力を見える化し、特に雇用する技能者数の少ない1次下請けの評価指標とする。
7日の会合では、これまでの議論の成果や、各団体へのヒアリングの結果を踏まえ、中間報告のたたき台も示された。国交省が認定する専門工事業団体は、評価を希望する専門工事企業からの手数料で評価制度を運営。基礎情報(建設業許可の有無、営業年数、財務状況など)、施工能力、コンプライアンスなどの項目ごとに各企業を4段階で評価するとした。
検討会は、9月20日に開く次回の会合で中間報告をまとめる。企業評価制度は19年度の運用開始を目指している。
提供:建通新聞社