国土交通省は、2019年度予算概算要求の基本方針を固め、8月2日に開かれた自民党国土交通部会に報告した。概算要求は「被災地の復旧・復興」「国民の安全・安心の確保」「力強く持続的な経済成長の実現」「豊かな暮らしの礎となる地域づくり」を柱に作成。ストック効果を重視した公共投資を推進するため、公共事業予算を安定的・持続的に確保するとしている。
政府が7月10日に閣議了解した概算要求基準では、各省庁に裁量的経費、義務的経費の削減額の3倍を「新しい日本のための優先課題推進枠」に要求することを認めており、国交省は推進枠を最大限に活用して必要な予算を確保する。19年10月の消費税率引き上げに伴う需要変動への対応は、予算編成過程で検討する。
4本柱の一つである被災地の復旧・復興では、東日本大震災の他、熊本地震、西日本豪雨をはじめとする大規模自然災害からの復旧・復興に必要な予算を要求する。国民の安全・安心を確保するため、水害対策、土砂災害対策、南海トラフ巨大地震対策、首都直下地震対策、インフラの老朽化対策などを推進し、国土強靱(きょうじん)化の実現を目指す。
物流ネットワークの強化、整備新幹線の整備、国際コンテナ戦略港湾の機能強化など、ストック効果を重視した社会資本整備を推進し、経済成長にも貢献する。空き地や所有者不明土地の有効活用、コンパクトシティの推進など、人口減少に対応した地域づくりにも力を入れる。
中長期的な担い手の確保・育成に向け▽国庫債務負担行為による施工時期の平準化▽新技術導入▽i−Constructionの推進▽働き方改革―にも取り組む。
提供:建通新聞社