東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、2020年大会時に使用する会場の「仮設オーバーレイ整備業務」のうち、武蔵野の森総合スポーツプラザや富士スピードウェイ、江の島ヨットハーバーなど6会場の工事を4件に分割し、8月中旬に一般競争入札手続きを開始する。また、国技館の仮設オーバーレイについては、現在進めている恒設工事と同時に実施する必要があると判断し、特別契約(随意契約)による手続きを始める。いずれも実施設計と大会後の撤去を含めた工事を一括して契約する。
仮設オーバーレイは、20年大会で競技会場として利用する新設8会場と既存22会場、仮設9会場を、大会時に使用可能な状態にするために整備する、仮設の基礎構造・設備や装具、機器の総称。運営用のプレハブ・テントや放送用の照明、観客用座席、セキュリティーフェンス、競技スペースなどが含まれる。4月に第1弾として、有明アリーナや海の森水上競技場など18会場(7件)、6月に国立代々木競技場など9会場(6件)の一般競争入札を公告した。
第3弾となる今回は▽富士スピードウェイ▽江の島ヨットハーバー▽武蔵野の森総合スポーツプラザ、東京スタジアム、武蔵野の森公園▽青海アーバンスポーツ会場―の6競技会場を4件(クラスター)に分け、いずれもWTO政府調達協定に準じた一般競争入札により発注する。仮設観客席については調達可能な事業者が限られている(海外調達)ため、組織委員会が別途契約手続きを行った上で、仮設オーバーレイの受注者と契約を結ぶ。
一方、国技館については、恒設工事と仮設オーバーレイ工事を同一場所で同時に進める必要があり、工程調整や作業の安全性確保の観点から特別契約を結ぶ。
「選手村のメインダイニング、プロセシングセンターの2件も近く発注」
組織委員会では、選手村地区内に整備する「メインダイニング」と「チームプロセシングセンター等」の2件の工事についても、近日中に一般競争入札を公告する。
メインダイニングは、中央区晴海5丁目に整備する選手村の中心に配置し、開村期間中に選手やチーム役員に24時間態勢で食事を提供する。施設規模は鉄骨造2階建て延べ約1万8500平方b。実施設計と施工、大会後の撤去・復旧を一括して発注する。
同様に選手村地区内に仮設施設として配置するチームプロセシングセンター(運営施設)については、既存建物を改修して利用する計画。改修工事と大会後の撤去・復旧をまとめて発注する。
提供:建通新聞社