建設経済研究所と経済調査会は、2018年度の建設投資(名目値)が前年度比0・8%増の56兆4800億円となり、02年度以降で最大となるとの見通しを明らかにした。企業の設備投資、個人消費の伸びを受けた民間非住宅建設投資の伸びを踏まえ、4月時点の見通しから2兆6200億円を上方修正した。19年度の建設投資は2・5%減の55兆0900億円と推計。18年度には民間住宅投資で消費増税に伴う駆け込み需要、19年度には反動減が発生するとみている。
18年度の建設投資は56兆4800億円で、2002年度以降で最も高い水準。西日本豪雨の災害復旧、例年は年度後半に編成される補正予算などの不確定要素は考慮しておらず、今後の情勢しだいでさらに投資額を修正する可能性もある。
18年度の政府建設投資は1・2%減の22兆7600億円と推計。政府・地方自治体の18年度当初予算に加え、今年2月に成立した17年度補正予算の一部が出来高になるとみている。
18年度の民間住宅投資は1・3%増の16兆2000億円、住宅着工戸数は1・6%増の96万1500戸になると見込んでいる。このうち、19年10月の消費増税に伴う駆け込み需要の影響が大きいのは持家と分譲住宅。持家は4・6%増の29万5200戸、分譲住宅は3・6%増の25万7500戸と予測している。相続税の節税対策による着工戸数の増加に一服感が出た貸家は1・8%減の40万2800戸。
18年度の民間非住宅建設投資は3・1%増の17兆5200億円になる見通し。用途別の着工床面積は、事務所が4・8%増、工場が2・5%増と伸びるが、店舗が1・7%減と5年連続で減少すると予想。高速道路沿道などで需要が高い倉庫は1・7%減と落ち込むが、引き続き高い水準を維持するとみている。
一方、19年度の建設投資2・5%減の55兆0900億円で、政府建設投資が21兆4300億円(5・8%減)、民間住宅投資が16兆0500億円(0・9%減)、民間非住宅建設投資が17兆6100億円(0・5%減)―などと予測しえている。政府建設投資は前提となる政府・自治体予算を横ばいとして試算。民間住宅投資には持家、分譲住宅で駆け込み需要と反動減の双方の影響を考慮している。
提供:建通新聞社