政府は、国土強靱(きょうじん)化に向けて重点的に取り組むプログラムとして、「地震に伴う市街地の大規模火災の発生」「上水道等の長期間にわたる供給停止」「医療機能のまひ」への対策を追加する。7月23日に開いた、学識者によるナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会で、これら3件を含めた15プログラムを提示した。今後、重点プログラムに沿った対策を2019年度予算案に概算要求する。
国土強靱化基本法では施策に優先順位を付けることが定められており、政府は現行計画の中で重点化すべき15のプログラム(回避すべき事態)を位置付けている。現在、新たな国土強靱化基本計画の策定作業を進めており、これに合わせてプログラムを組み直すことにした。今回追加した事項の他には▽住宅・建物・交通施設などの複合的・大規模倒壊▽突発的または広域かつ長期的な市街地などの浸水―といった事態が重点プログラムに位置付けられている。
23日の懇談会ではまた、強靱化基本計画で深掘りすべき戦略的政策課題として「東京一極集中リスクとその対応」「地域復興力の涵養」「被災規模の想定を踏まえた定量的な対応方策の推進」の3テーマを提示。今後、懇談会にワーキングを設け、テーマごとに内閣府や国土交通省、経済産業省など関連する府省庁も加わって議論していく。強靱化基本計画は18年内の閣議決定を目指している。
提供:建通新聞社