全国知事会は7月18日、西日本豪雨で被災した地域に対する政府のさらなる支援を求める緊急要望を行った。知事会の危機管理・防災特別委員会委員長を務める鈴木英敬三重県知事が、小此木八郎内閣府特命担当大臣(防災)を訪問し、災害復旧事業への採択基準の柔軟な運用や財政支援など15項目にわたる要望を提出した。
鈴木知事は「全ての分野で財源も人手も足りていない」と強調し、復旧・復興に必要な人材の派遣や、被災者支援・災害復旧に向けた国の補正予算の編成、激甚災害の早期指定を要請した。
現況回復を目的とした災害復旧事業や、将来の安全性向上につなげる改良復旧事業については、自治体が国の査定を待たずに着手した工事もあり、適切に認定されるよう採択基準の柔軟な適用や緩和を求めた。また、被災箇所が膨大なため、災害査定の手続き簡素化も必要と指摘した。
被災者生活再建支援制度については、地域間で適用に不均衡が出ないよう、一定数以上の住宅の全壊を要件とする現状の見直しを要望。全国知事会で提案を今後まとめることを伝え、対応を求めた。
ハード関連では幹線道路の早期復旧に向けた支援や、鉄道復旧への予算措置などを要請。土砂や流木の流出被害のあった箇所については、特に二次災害の防止対策を求めた。決壊すると下流に大きな影響を与えるため池についても防災・減災のための財政支援が必要だと訴えた。
また、被災市町村が実施する災害等廃棄物処理事業や、廃棄物処理施設そのものへの復旧事業についても支援を要請した。
提供:建通新聞社