国土交通省は、7月5日に開いた「専門工事企業の施工能力の見える化等に関する検討会」に、専門工事業4職種(鉄筋、とび、型枠、機械土工)の能力評価基準案を報告した。技能者の能力評価は、建設キャリアアップシステムに登録される就労日数・保有資格を活用し、4段階(レベル1〜4)で行う。基準案は、レベルアップに求められる就業日数(年換算)と資格を職種別に示した。
建設キャリアアップシステムで客観的に把握できる技能者の就業日数と保有資格をポイント化し、技能者の能力を4段階で評価する。能力評価基準(就業日数と保有資格のポイント設定、レベルアップの基準)は、専門工事業団体が職種特性を踏まえて設定する。
検討会に設置された「建設技能者の能力評価基準づくりワーキンググループ」には▽日本型枠工事業協会▽日本建設躯体工事業団体連合会▽日本機械土工協会▽全国鉄筋工事業協会−の4団体が参加し、先行して基準づくりを進めている。
各団体がまとめた能力評価基準案によると、例えばレベル2(中堅建設技能者)からレベル3(一定の職長経験を有する者)への昇格に必要な就労日数(年換算)は、とび8年(班長経験2年)、型枠7年(職長経験1年)。鉄筋は、就労日数ではなく、班長として3年の経験があることを求める。機械土工はレベル2としての就労日数5年、班長経験1年を求めるとしている。
就労日数から「就労点」、各レベルごとに求める保有資格から「技能点」を算出し、能力評価のポイントを算出する。同じレベルに位置付けられる技能者間でも、ポイントは異なるため、企業単位での人材育成や処遇決定に活用してもらう。
WGは夏までに制度の枠組みを決める。技能者の能力評価制度は、専門工事業の企業評価制度とともに19年度に運用を開始する見通しだ。
提供:建通新聞社