建設業振興基金は、建設業経理士(建設業経理事務士)資格について話し合う「建設業経理検定制度に関する懇談会」を設置し、6月27日に初会合を開いた。ICT技術の進展などによって建設業会計を取り巻く環境は大きく変化している一方で、建設業経理士資格は創設して以降、大きな見直しは行われていない。このため基金は、この資格が経理実務により役立つものとなるよう、有識者や業界関係者の意見を聞き、2018年度末までに提言をまとめる。
建設業経理検定試験は、建設業法施行規則に位置付けられた国土交通大臣登録資格。会計処理が特殊で、高い専門性が求められる建設業会計に関する知識向上を図るため、1981年に創設された。建設業経理士1・2級の有資格者は経営事項審査の評価対象となる。
制度創設以降、建設企業の会計事務は、経理ソフトの普及などにより大きく変化しており、今後も人口知能(AI)の開発でさらに進化することが見込まれる。これに伴い、建設業会計の実務者に求められる能力、資格も大きく変化することが予想される。
懇談会の初会合で、振興基金の内田俊一理事長は「挑戦する経営者を支えるため、建設業経理士・建設業経理事務士はどのような能力を持つべきか、基本に立ち返った検討が必要」と強調。「建設産業の役に立つ資格として、磨き直しが求められている」と続けた。
懇談会では、建設業経理士・建設業経理事務士がどのように活躍しているか、実態を把握した上で、経理担当者に求められる能力・役割を明らかにする。18年度末に建設業経理検定試験委員会に提言し、試験問題、資格制度への反映を求める。
提供:建通新聞社