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2018/06/29

石綿での労災保険請求、建設業が52・8%

 厚生労働省は2017年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」の速報値をまとめた。労災保険法による支給決定件数は、549件の建設業が全業種の中で最も多く、全体の52・8%を占めた。「石綿による健康被害の救済に関する法律(石綿救済法)」に基づく特別遺族給付金の支給決定件数は、建設業は肺がんの4件のみ。それでも全業種の約4分の1を占めた。
 石綿肺を除いた17年度分の労災保険給付の請求件数は1083件、支給決定件数は986件で、請求、支給決定件数とも前年度とほぼ同水準だった。 
 一方、石綿救済法に基づく特別遺族給付金の請求件数は45件で、前年度と比べて9件(25%)増えた。このうち支給決定件数は15件で、前年度より2件(15・4%)増となった。
 労災保険の支給が決定した建設業における石綿疾病の内訳は、肺がん177件、中皮腫291件、石綿肺29件、良性石綿胸水20件、びまん性胸膜肥厚32件。石綿救済法の特別遺族給付金は肺がん4件。
 一方、労災保険法と石綿救済法を合わせた工種別の支給決定件数は、401件の「建築事業(既設建築物設備工事業を除く)」が最も多く、次いで96件の「既設建築物設備工事業」、14件の「機械装置の組み立てまたは据え付けの事業」、41件の「その他の建設事業」―と続いている。
 労災保険の支給決定件数を都道府県別に見てみると、東京都が127件で最も多く、以下、大阪府79件、神奈川県71件、兵庫県70件、北海道63件―の順に多かった。

提供:建通新聞社