国土交通省は、「空き家所有者情報の外部提供に関するガイドライン」を拡充し、空き家所有者本人の同意が得られれば、所有者に関する情報を行政機関が宅地建物取引業者などの民間事業者に提供できるスキームをまとめた。空き家対策を巡っては、2015年施行の特別措置法で市町村内部での情報共有が可能となっており、今回、情報を外部に提供する際の法制的な整理を改めて行った。ガイドラインを市町村に周知し、空き家活用について民間事業者との連携強化を促していく。
市町村は空き家所有者を特定する際に▽固定資産税▽不動産登記▽住民票▽水道開栓▽自治会▽死亡届―などの情報を活用する。ガイドラインでは、情報の提供先や提供内容などについて所有者が同意すれば、氏名や連絡先、利活用の意向、物件情報といった情報と合わせて、課税情報を含む情報も提供できるとした。ただし、提供先を、市町村に登録した民間事業者や、協定を締結した事業者団体に絞るなど、苦情対応・トラブル防止に配慮した仕組みづくりも必要だとした。
ガイドラインでは、17市町村による空き家活用の先進事例も盛り込んだ。空き家に関する行政内部の情報を横断的に共有できるデータベースの構築(神奈川県厚木市)や、宅地建物取引士の空き家無料相談員への登録(京都市)などを取り上げた。
提供:建通新聞社