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中央ニュース

2018/06/07

施工時期の平準化 市区町村に数値目標

 国土交通省は、施工時期の平準化に関する数値目標を設けるよう市区町村に要請する。4月の経済財政諮問会議で、安倍晋三首相が年度末に集中する予算執行の平準化を指示したことを受け、国・都道府県と比べて対応が遅れている市区町村への働き掛けを強める。6月7日から各地方整備局が主催する地域発注者協議会に本省担当者が出席し、参加する市区町村に直接要請する。
 4月12日に開かれた経済財政諮問会議では、施工時期の平準化が進むと人材・資機材の稼働率を改善させる効果があるとして、安倍首相が予算執行の平準化を関係大臣に指示した。6月中旬に閣議決定される「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)にも、平準化の推進に向けた数値目標の設定が盛り込まれる見通しだ。
 国交省は、この数値目標の設定を地域発注者協議会の場で市区町村に働き掛ける。数値目標に使用するのは、同協議会が全国統一指標として活用している「平準化率」。
 平準化率は、年度の平均と4〜6月期の平均の稼働状況(件数・金額)の比率。閑散期である4〜6月の稼働を増やすための指標で、数値が高いほど平準化が進んでいることになる。全国平均の平準化率(件数ベース)は、国交省0・8、都道府県0・7、政令市0・6、市区町村0・5となっており、市区町村の実績が最も低い。
 地整が主催する協議会に発注行政を担当する大臣官房技術調査課、建設産業行政を担う土地・建設産業局建設業課の担当者が初めて出席し、市区町村に平準化率の目標数値を設定するよう求める。発注見通しの統合公表への参加も要請する。
 要請に加え、施工時期の平準化に向けた先進的な取り組みをまとめた平準化事例集(第3版)を解説し、「債務負担行為の活用」「柔軟な工期設定」「速やかな繰り越し手続き」など、効果の高い施策を紹介する。
 協議会では、都道府県単位で設置している都道府県部会ごとに具体的な数値を定める。国交省の平準化率である0・8を目安に目標設定を促す。

提供:建通新聞社