政府の未来投資会議は6月中旬に閣議決定する「未来投資戦略2017(素案)」をまとめた。インフラ整備・維持管理の生産性を高めるため、18年度に実用段階に達していない新技術・工法・材料を導入する直轄工事を1000件以上に倍増させる他、民間建築工事でBIMの有効性を普及啓発させる方策を講じるとした。社会保険加入の徹底、現場技術者の配置要件の合理化などに向け、建設業法など関係法令の改正を検討すると明記した。
素案では、重点分野の一つにインフラ管理の高度化を図る方針が示され、25年度までに建設現場の生産性を2割高めることに加え、インフラ点検・診断業務に新技術(ロボット、センサーなど)を導入する施設管理者の割合を20年までに20%、30年までに100%とする目標を定めた。
直轄工事では、新技術導入促進型などを活用し、実用段階に達していない新技術、AI(人工知能)、IoT(インターネット・オブ・シングス)などを1000件以上の工事で導入する。埋設型枠、プレハブ鉄筋などの新技術の現場導入を加速するため、18年度中の技術基準類を整備する。
直轄の土木工事で大規模構造物の詳細設計にBIM/CIMを適用。BIMについては、直轄の営繕工事のBIMガイドラインを改定する他、民間建築工事全体へのBIMの普及啓発方策も検討する。
各業種で中小企業の生産性向上施策も強化する。建設業では、社会保険加入の徹底、現場技術者の配置要件の合理化、受発注者双方の責務の明確化を図るため、建設業法など関係法令の改正を検討する。建設キャリアアップシステムの今秋の稼働、施工時期の平準化にも取り組む方針を明記している。
提供:建通新聞社