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2018/06/06

地域維持型 都道府県26団体が導入

 国土交通省が行った調査によると、社会資本の維持管理を包括的に発注する「地域維持型契約方式」を2017年度に導入した都道府県は26道府県だった。契約金額の合計は476億0800万円に上っている。地域維持型契約方式は、建設企業が減少傾向にある地域で、社会資本の維持管理を包括的に発注する契約方式。国交省は、昨冬の大雪時に担い手不足が問題視された除雪への導入効果も高いとみている。
 地域維持型契約方式は、社会資本の維持管理(災害応急復旧、除雪、修繕、パトロールなど)を包括的な契約単位(工種・工区・工期)や、地域企業による包括的な体制で実施する方式。地域の建設企業と継続的な協業関係を確保するため、技術者の専任要件を緩和した地域維持型JVも合わせて制度化されている。
 17年度に地域維持型契約方式を導入した都道府県は26道府県で、契約件数は合計779件、契約総額は476億0800万円に上った。業務内容別に見ると▽道路維持管理537件(186億9700万円)▽道路維持管理・除雪51件(73億1400万円)▽除雪114件(178億3300万円)▽道路パトロール25件(20億1000万円)―などとなった。
 1件当たりの平均契約額は、除雪の1億5600万円が最高。平均契約額が最も低い道路維持管理は3500万円で、除雪の4分の1に満たない。
 契約形態は、地域維持型JVを採用する都道府県が10団体と最多で、単体の9団体、事業協同組合の6団体などが続いた。調査に回答した都道府県からは「地域維持型JVは代表会社への負担が増加する」「JVや組合結成を含め、地元業界の理解・協力が必要」といった課題を指摘する声もある。
 除雪については、北海道、秋田県、山形県、石川県などが地域維持型契約方式を採用しているが、単体・冬季限定で発注している都道府県が大半。複数企業・複数年度の発注ができる地域維持型契約方式を導入することで、除雪の担い手不足を補う効果も期待できる。

提供:建通新聞社