国土交通省は6月1日、i−Construction推進コンソーシアムの企画委員会を開き、2018年度の取り組み方針を確認した。18年度は、建設現場でのICT活用を維持管理分野や建築分野に拡大し、BIM/CIMを大規模構造物設計にも適用する他、新技術の現場実装を加速させる。さらに、2025年度までのi−Constructionのロードマップも更新した。
森昌文技監は「i−Constructionは、働き方改革、生産性向上の一丁目一番地」と述べた上で「データ加工から実際のものづくりの現場まで展開し、関係者も大学機関から建設業者まで裾野が広がっている」とこれまでの成果を強調した。
18年度は、橋梁・トンネルの維持管理分野にICT活用を展開し、インフラ用ロボットを活用して点検記録作成を支援する。点検記録の3次元データでの納品も開始する。建築分野では、直轄の営繕工事に施工BIMを試行導入。施工合理化技術(ユニット化、自動化施工など)を導入し、生産性を高める。
BIM/CIMは、大規模構造物の詳細設計に原則として適用。契約図書としての要件を備えた3次元モデルも作成する。
中小企業のICT活用も支援する。自治体発注工事をフィールドとした現場支援型モデル事業で、新たに対象の自治体を選定する他、ICT施工の経験のない施工者に発注者側が3次元施工データを提供する。
企画委員会では、17年4月に策定した「i−Construction推進に向けたロードマップ」をこれまでの進捗に合わせて修正。3次元データの利活用では、オンライン電子納品やクラウドを活用した情報共有システムを20年度から運用する。施工時期の平準化を目指し、国債をさらに活用し、4〜6月の工事稼働率を向上させるとした。
提供:建通新聞社