自民党の外国人労働者等特別委員会が5月23日に開かれ、外国人材の受け入れ拡大に関する政府の検討状況が報告された。受け入れ拡大を検討しているのは、人手不足が顕著な介護・建設・造船などの業種。日本語能力や技能が、業種ごとに定める一定の水準を超えれば、日本での就労を認める。3年の技能実習を修了した外国人は受け入れの対象で、在留期間は最長5年とする見通しだ。
外国人材の受け入れ拡大は、2月20日に開かれた経済財政諮問会議で、安倍晋三首相が検討を指示。現在、内閣官房が設置した「専門的・技術的分野における外国人材の受け入れに関するタスクフォース」で制度の枠組みを検討している。6月にも閣議決定する骨太の方針に方向性を明記する見通しだ。
タスクフォースでは、主要業種(介護・建設・造船・農業・製造など)を対象に人手不足と外国人受け入れの実態を把握。外国人受け入れの拡大は、生産性向上、女性・高齢者の就業環境整備を行っても人手不足が解消しない業種を対象とする。
日本での就労を認める外国人材には、日本語能力と技能の業種横断的な水準を設定した上で、各業種ごとに受け入れの基準を定める。既に3年以上日本に滞在する技能実習生は受け入れの対象とする。在留期間は最長5年で検討しており、5年間の技能実習を終えた外国人はさらに5年間日本で就労できるようになる。
円滑に外国人材を受け入れるため、在留管理や労働法令に基づく雇用管理を検討する。報酬は日本人と同等以上とすることも求める。
提供:建通新聞社