国土交通省などの6省は、社会資本のメンテナンスに有効な技術開発を表彰する「第2回インフラメンテナンス大賞」の受賞者を発表した。204件の応募の中から、大臣賞、特別賞、優秀賞として合計32件を選んだ。8月9日に各省合同で表彰式を開く。
インフラメンテナンス大賞は、社会資本のメンテナンスに役立つ優れた技術開発を表彰し、『メンテナンス産業』を活性化するため、2017年度に創設した。インフラメンテナンス国民会議に参加する、国交省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、防衛省の6省が所管するインフラ分野別に受賞者を選んだ。
受賞者と受賞技術は次の通り。
■総務省
【大臣賞】
▽NTT東日本−南関東―メタルケーブル設備管理手法確立および計画的設備補修による保全稼働削減
【情報通信技術の優れた活用に関する大臣賞】
▽松江市上下水道局―IoTを活用したオープン型遠隔監視システム構築による広域的水道施設の運転維持管理
■文部科学省
【特別賞】
▽名古屋市教育委員会―名古屋市学校施設リフレッシュプランに基づく施設の長寿命化への取り組み
■厚生労働省
【大臣賞】
▽大成機工―不断水で設置可能な継手部補強金具による既設管の地震対策
■農林水産省
【大臣賞】
▽石川県農林水産部森林管理課―林道白山線における冬季閉鎖期間の維持管理方法における工夫▽淡路東浦ため池里海交流保全協議会―農業者と漁業者との連携によるため池の保全
【特別賞】
▽石巻市北方土地改良区―水中ポンプの水冷装置に詰まったゴミや泥を完全かつ容易に除去する工夫▽飯田市上郷野底山財産区―地域で支える「ふれあい林道サポート事業」▽漁港プレキャスト工法研究会―「プレキャストコンクリート製残置型枠工法」による漁港施設の長寿命化対策
【優秀賞】
▽愛媛県農林水産部林業政策課―メンテナンスフリーでシカ食害等から林道、緑化法面を守る簡易木製品工法▽諏訪形区を災害から守る委員会―地域活動による治山施設の維持管理と森の強靱化▽美野原農地・水環境保全会―地元農業高校の高校生と連携した農業用用水路の保全活動▽岩手県―地域住民や地元企業が参画するアドプト活動による農業用水路等の保全管理
■国土交通省
【大臣賞】
▽青森県―県有施設の保有総量縮小・効率的利用・長寿命化の推進▽日本大学大学院工学研究科―みんなで守ろう。「橋のセルフメンテナンスふくしまモデル」の構築と実践▽鉄道総合技術研究所―営業車に搭載可能な軌道検測装置の開発と実用化
【特別賞】
▽NJS―下水道管路等の閉鎖性空間点検調査用ドローンに係る開発▽クボタ機工―点検用窓「GENSO」を用いたポンプ診断技術▽五洋建設―無線LANボートを用いた港湾構造物の点検診断システム
【優秀賞】
▽JR西日本―山陽新幹線コンクリート構造物の実証的な維持管理の取り組み▽博多港ふ頭―港湾荷役機械の劣化故障の減少のための数値管理手法▽小名浜港東港地区臨港道路維持管理技術検討委員会―小名浜マリンブリッジ『点検マニュアル』の策定と地域技術者との連携体制構築▽日鉄住金防蝕―明治期に建造された鋼製灯台への長期耐久性防食仕様の適用▽岩手県野田村―復興事業により整備された公園を官民協働で維持管理する持続可能な仕組みの構築▽全国防草ブロック工業会―植物の特性を利用した防草技術(防草ブロック・エレファンドレン)▽京都マテリアルズ・長瀬産業―さびの「診断」と反応性塗料の「処方」による鉄鋼インフラの長寿命化技術の開発▽ゴトウコンクリート―Dimplef▽東亜グラウト工業―ヒートライナー工法(小口径下水道管路を補修しながら熱を利用する技術)▽JR東海総合技術本部技術開発部―土木構造物の状態監視を低コスト・省メンテナンスで実施可能な計測装置の開発▽JFEエンジニアリング―深梁工法 〜杭連結による簡便な桟橋補強〜▽大成建設―画像解析を用いたコンクリート構造物のひび割れ点検技術の開発
■防衛省
▽五洋建設―既設地中式タンクを利用した、地下式燃料タンクの築造
提供:建通新聞社