国土交通省は、2018年度の直轄事業における「設計業務等の品質確保対策」をまとめ、各地方整備局に通達した。対策の重点方針では、BIM/CIMを大規模構造物の詳細設計に原則適用すると明記。合わせて、契約図書としての要件を備えた3次元モデルの作成・納品に努めることも求めた。この他、地質調査業務と測量業務へのプロポーザル方式の適用拡大、適切な地域要件の設定などによる地域企業の活用なども促している。
品質確保対策は、設計業務の品質向上に向けた環境改善を図るため、各地整に毎年度通達するもの。18年度の重点方針には▽BIM/CIMの推進▽履行期限の平準化▽適切な履行期間の設定▽担い手確保・育成―などに関する施策を盛り込んでいる。
BIM/CIMは、18年度から橋梁、トンネル、河川構造物(樋門・樋管など)、ダムなど大規模構造物の詳細設計で、発注者指定型・受注者希望型で原則適用する方針。BIM/CIMを活用する効果を高めるため、施工段階の契約図書に活用できる3次元モデルを作成することも求めた。
業務の履行期限の平準化に向けては、履行期限を迎える業務件数の割合が4〜12月を25%以上、1〜2月を25%以上、3月を50%以下とする目標を設定した。合わせて、3月に集中する納期を分散させるモデルケースを検討する。標準的な履行期間を設定するため、17年度から詳細設計業務で試行している「業務スケジュール管理表」の活用を拡大することも求めた。
事業の初期段階に当たる地質調査業務と測量業務では、高度な技術力が要求される「地質リスク調査検討」や「3次元ベクトルデータ作成」などにプロポーザル方式を適用する。
中長期的な担い手の確保・育成を目指し、全業務の1割を目標に「若手技術者の配置を促す入札契約方式」を採用する。地域企業の受注機会を確保するため、業務特性に応じた適切な地域要件の設定、直轄事業の受注実績のない企業を対象とする「チャレンジ型」などを実施することも求めた。
提供:建通新聞社