厚生労働省は、総合工事業の2017年労働災害動向調査の結果をまとめた。災害の発生頻度を表す度数率は0・81(前年0・64)、災害の重さの程度を表す強度率は0・18(同0・11)となり、死傷者1人平均労働損失日数は225・2日(同168・2日)となった。度数率は0・17ポイント、強度率は0・07ポイントそれぞれ上昇。死傷者1人平均労働損失日数は57日増加しており、総合工事業の労働安全環境の改善が“後退”したことが分かった。
工種別にみると、土木工事業の度数率は1・19(前年1・14)、強度率が0・40(同0・24)。建築事業の度数率は0・74(同0・57)、強度率が0・14(同0・09)となっている。
死傷者1人平均労働損失日数は、土木工事業が335・0日(前年206・8日)、建築事業は189・5日(同156・5日)だった。
総合工事業の請負金額別に見た強度率は10億円以上が0・25、5億円以上10億円未満が0・09、5億円未満が0・02。
死傷者1人平均労働損失日数は、10億円以上が330・8日、5億円以上10億円未満が119・1日、5億円未満が22・0日だった。
他方、100人以上の常用労働者が働いている事業所を対象とした「事業所調査」によると、総合工事業を除く建設業の度数率は0・92(前年0・75)、強度率は0・14(同0・17)、死傷者1人平均労働損失日数は148・8日(同234・4日)となっている。
同省は、主要産業の労働災害発生状況を明らかにするため10人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象として年1回、総合工事業の工事現場を対象として年に2回調査を行っている。
今回の総合工事業調査は、労働者災害補償保険の概算保険料が160万円以上、または税抜きの工事請負金額が1億8000万円以上の工事現場の中から抽出した5353現場を対象とした。有効回答数は4704、有効回答率は87・9%だった。
提供:建通新聞社