トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2018/05/02

直轄事業 電子契約8月から試行

 国土交通省は、8月から直轄の工事・調査設計業務で電子契約を試行することを決めた。2018年度の試行件数は、工事と業務でそれぞれ100件程度とする見込みだ。2019年夏の本格運用時には、全ての工事・調査設計業務に電子契約を適用する考え。当初契約だけでなく、契約変更、検査、支払請求に関する書類を電子化し、紙ベースで行ってきた受発注者の事務負担を軽減する。直轄事業の電子入札のICカードを取得していれば、原則として受注者側に追加コストはかからないという。
 公共事業の発注件数が多い国交省、農林水産省、防衛省、内閣府(沖縄総合事務局)の4府省が、総務省の電子調達システム(物品・役務)の成果物の一部を活用し、電子契約システムを共同開発した。農水省、防衛省、内閣府の3府省も、国交省の試行を踏まえて導入時期を決める。
 システムでは、当初の契約締結だけでなく、監督職員の通知、監督職員との協議、契約変更、検査、支払請求に関する書類を電子化する。地方整備局や事務所と受注者の間のやり取りが電子契約システムで行われるようになり、受発注者双方の負担軽減に効果を発揮する。受注者が事務所などを訪れる移動コスト、書類の保管コストの削減に加え、契約確定までの期間を短縮する効果も期待される。
 現行法が電子化に対応していないため、受注者は契約書に対する印紙税の納付が不要になるなど、コスト上のメリットも得られる。また、直轄事業の電子入札用のICカードで電子契約の本人確認(電子署名)を行うため、受注者が新たにICカードを取得する追加コストも必要ないという。
 国交省は早ければ6月にも電子契約用のポータルサイトを立ち上げ、電子契約を体験できる「WEBチュートリアル」を行う。受注者にシステムを周知した上で、8月に試行運用を始める。19年2月から試行結果を踏まえてシステムを改修し、19年8月から全ての工事・業務に電子契約を適用する見込みだ。

提供:建通新聞社