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2018/04/18

第5次環境基本計画を閣議決定 政府

 政府は4月17日、環境保全に関する施策について、総合的、長期的にその方向性を示した第5次環境基本計画を閣議決定した。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の考え方を活用して環境政策とイノベーションを結節し、社会や経済をめぐる諸課題の同時解決を図る分野横断的な六つの重点戦略(経済、国土、地域、暮らし、技術、国際)を設定。環境・経済・社会の統合的向上を具体化し、持続可能な循環共生型社会「環境・生命文明社会」の実現を目指す考えを示した。
 基本計画は、わが国には温室効果ガスの大幅な排出削減、資源の有効利用などの環境の課題だけでなく、AIやIoTなどの技術革新への対応といった経済の課題、少子高齢化・人口減少や働き方改革、大規模災害への備えなどの社会の課題があると指摘。
 その上で、持続可能な社会の実現を目指す国際的な潮流も踏まえつつ、我が国がSDGsの考え方を活用して環境・経済・社会の統合的向上を図り、「環境・生命文明社会」の実現を目指して大きく考え方を転換(パラダイムシフト)していく必要性を強調した。
 基本計画が提示した六つの重点戦略は次の通り。
<持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築>
 ▽ESG投資、グリーンボンドなどの普及・拡大▽税制全体のグリーン化の推進▽サービサイジング、シェアリング・エコノミー▽再エネ水素、水素サプライチェーン▽都市鉱山の活用
<国土のストックとしての価値の向上>
 ▽気候変動への適応も含めた強靭(きょうじん)な社会づくり▽生態系を活用した防災・減災(Eco−DRR)▽森林環境税の活用も含めた森林整備・保全▽コンパクトシティ・小さな拠点+再エネ・省エネ▽マイクロプラスチックを含めた海洋ゴミ対策
<地域資源を活用した持続可能な地域づくり>
 ▽地域における「人づくり」▽地域における環境金融の拡大▽地域資源・エネルギーを生かした収支改善▽国立公園を軸とした地域創生▽都市も関与した森・里・川・海の保全再生・利用▽都市と農山漁村の共生・対流
<健康で心豊かな暮らしの実現>
 ▽持続可能な消費行動への転換(倫理的消費、SOOL CHOICEなど)▽食品ロスの削減、廃棄物の適正処理の推進▽低炭素で健康な住まいの普及▽テレワークなど働き方改革+CO2・資源の削減▽地方移住・二地域居住の推進+森・里・川・海の管理▽良好な生活環境の保全
<持続可能性を支える技術の開発・普及>
 ▽福島イノベーション・コースト構想→脱炭素化を牽引(再エネ由来水素、浮体式洋上風力等)▽自動運転、ドローン等の活用による「物流革命」▽バイオマス由来の化成品創出▽(セルロースナノファイバー等)▽AI等の活用による生産最適化
<国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築>
 ▽環境インフラの輸出▽適応プラットフォームを通じた適応支援▽温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」シリーズ▽「課題解決先進国」として海外における「持続可能な社会」の構築支援

提供:建通新聞社