帝国データバンクは、未上場総合建設業者の経営実態調査(2016年度)をまとめた。売上高の合計額は前年度比0・9%増の23兆5061億円となり、14年度以降2年連続で伸び率が低下した。調査対象1万2240社に対する増収企業の割合も49・6%と2年連続で過半数を割った。
売上高が増加した増収企業は1万2240社中6075社(49・6%)で、前年度からは0・3ポイント増加したものの、前々年度(14年度)から見ると13・2ポイントの大幅な減少。
売上総利益が上昇した増益企業は7025社で、全体の57・4%(前年度比2ポイント増)を占めており、半数以上の企業が収益を確保できている。
一方、売上原価率は0・9ポイント減の81・8%、労務・外注比率は0・1ポイント減の54・4%だった。地域別の労務・外注比率を見ると、関東が58・5%、近畿が57・5%、中部が55・8%の順に高く、三大都市圏で全国平均を上回る結果が出ている。
帝国データバンクは今回の調査結果について、全体としては増収ながら伸び幅が鈍化し、一部の地域・企業では売上減少に転じる状況もあるなど「好調が続いていた建設業界にも陰りが見え始めている」と分析。都市圏での労務・外注費率も高止まりしており「人員の確保が建設業界でも主要課題になっている」と指摘している。
提供:建通新聞社