国土交通省は、直轄の営繕工事で現場の生産性を高める「施工合理化技術」を積極的に活用する。建築基礎の掘削にICT建機を使用する「ICT建築土工」や施工BIM、電子小黒板などを発注者指定で活用させる試行をスタート。総合評価方式の「技術提案評価型S型」では、技術提案に施工合理化技術を盛り込むことを標準化する。技術提案の効果が確認されれば、工事成績に最高2・8点を加点する。4月10日に入札手続きを開始した新築工事から適用する。
同省は、建設現場の生産性を高めるi−Constructionを建築分野に拡大する方針で、直轄営繕の新築工事を対象に試行を始める。生産性を高める施工合理化技術(プレハブ化、ユニット化、自動化施工、BIM、ASPなど)を積極的に採用し、総合評価・工事成績で提案者にインセンティブも与える。
施工合理化技術は、これまでも受注者から提案があれば採用してきたが、発注者指定で採用を義務付ける試行を実施。具体的には、施工BIMと電子小黒板に加え、新たに「ICT建築土工」を試行。基礎部分の掘削を含む新築工事で▽施工用データの作成▽ICT建機での施工▽3次元データの納品―を求める。
施工計画を受発注者で共有する情報共有システムも、発注者指定で採用を原則化する。
いずれも対象は新築工事(他省庁からの執行委任分は除く)のうち技術提案評価型S型を採用するもの。
一方、施工合理化技術に関する提案の入札段階での評価も導入する。技術提案評価型S型で設定する5テーマのうち、1テーマを施工合理化技術とすることを標準化。入札参加者に施工合理化技術を積極的に提案するよう求める。
加えて、提案した施工合理化技術が採用され、その効果が確認された場合、工事成績評定で評価することを入札説明書に明記。加点幅は最高2・8点になる。
技術提案評価型S型で発注する新築工事(執行委任分を含む)の建築、電気設備、機械設備を対象に実施する。
提供:建通新聞社