建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)は、建設業労働安全衛生マネジメントシステム「COHSMS(コスモス)」ガイドラインを改正し、ISO45001の内容を包含する労働安全衛生マネジメントシステムへと“進化”させた“NEW COHSMS”の運用を2018年10月から開始する。20年3月までを現行のコスモスとニューコスモスの両方の認定を行う経過措置期間とし、20年4月から全面的にニューコスモスの運用を開始する。
NEW COHSMSは労働災害を防止するというこれまでのコスモスの目的に、安全・安心な職場環境を作るという新しい価値の創造「Postive Approach」を加えた。
具体的には、建設職人基本法を踏まえ、新たに「建設工事従事者」という概念を定義。これまでコスモスの対象だった「労働者」を「建設工事従事者」に改め、一人親方・自営業主・家族従事者・技能実習生・元方事業者の作業所長も「建設工事従事者」であると規定した。
労働安全衛生マネジメントにおける利害関係者の範囲も拡大。新たに「その他の関係者」という概念を導入した上で、▽工事監理者▽別途発注事業者▽店社関係者▽購買関係者▽資機材供給業者▽資機材運搬業者▽給食業者等―の建設現場に出入りする者を「その他関係者」と規定。公衆災害についても定義し、労働作業によって発生し、第三者の生命・財産に危害や迷惑がかかる災害については、経営リスクとして考慮するべきとの考えを打ち出した。
事業場に対する要求には「心身の健康の保持増進及び快適な職場環境形成への取組」も新たに盛り込んだ。
建設事業者には、労働安全衛生法(安衛法)第66条の規定に基づき、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査や面接指導などの措置を講じるなどして、「心身の健康」も含めた健康状態の把握に努めることを求めた。
提供:建通新聞社