2017年度の2級技術検定(学科試験)の受験者数が00年度以降で最多の11万1227人になった。2級学科試験の受験者数は11年度以降上昇傾向にあり、17年度に土木・建築で先行した年2回化でさらに受験者数の伸びに弾みがついた。中でも、高校生ら若年層が多くを占める「学科のみ試験」の受験者数は、2級土木で前年度比75・7%増、2級建築で47・2%と年2回化の効果が顕著に表れた格好だ。国土交通省は、18年度から全6種目で年2回化を実施することを決めており、若年層への受験機会をさらに拡大する。
17年度の2級学科試験の受験者数は6職種の合計で11万1227人と、前年度と比べ10・5%増えた。学科合格者数は6万2983人で17・1%増、最終合格者は3万4468人で0・5%減だった。
受験者数の多い土木・建築での伸び率が高く、土木は23・7%増の4万2679人、建築は5・5%増の3万3197人だった。土木・建築の受験者数が上昇に転じた13年度以降、受験者数は4年間で土木が46・3%増、建築が57・4%増となっており、建築は4年連続で過去最高を更新している。
受験者数の伸びをけん引したのは「学科のみ試験」の受験者数の増加だ。2級技術検定は、実地試験の受験資格に実務経験を求めるが、学科試験は17歳以上であれば誰でも受験資格がある。国交省は、早期の資格取得が建設業への入職や定着に効果を生むとみて、17年度の2級土木・建築から学科試験の年2回化を図り、若年層をターゲットに受験機会を拡大した。
17年度の「学科のみ試験」の受験者数は、土木で1万2395人(75・7%増)、2級建築で1万0803人(47・2%増)と大幅に増加。年2回化の効果で、「学科のみ試験」を06年度に創設して以降、初めて受験者数が1万人を突破した。
国交省は、18年度からこの他の4職種(管、電気、造園、建設機械)でも2級学科試験の年2回化を実施する。2級学科試験に早期に合格すると、その後の実地試験、1級技術検定も早期に合格する傾向がある。2級学科試験の受験機会を広げることで、建設業への入職の呼び水≠ノする。
提供:建通新聞社