国土交通省は1月26日、工事の施工を社会保険加入企業に限定することをうたった「誓約書」の活用を求める事務連絡を47都道府県と政令指定都市、建設関係団体の長に宛てて送付した。建設関係団体の長には、これと合わせて「社会保険の加入に関する下請指導ガイドラン」に規定されている「適切な保険」を確認するためのフローチャートの活用を要請した。民間発注者団体にもこの取り組みの趣旨を説明する文書を発出。受注者から誓約書が提出された場合、これを受領するよう協力を求めた。
国交省は今回の通知で、同省が作成した「社会保険未加入企業を下請けにしないことを誓約するひな形」を受注者が活用し、これを発注者に提出するとともに、工事期間中は現場に誓約書の写しを掲示するなどの取り組みを積極的に実施するよう要請。
また、同省は誓約書のひな形の作成に合わせて「社会保険の加入に関する下請指導ガイドラン」に規定されている「適切な保険」か否かをフローチャート方式で確認できるフォーマットも作成。建設関係団体には会員企業に配布し、元請け企業は下請け企業の加入状況を確認するツールとして、下請け企業は自社と自社の労働者が加入すべき保険を確認する手掛かりとして、それぞれ積極的に活用することを勧めた。
一方、民間発注者団体に対しては、あらためて発注者と受注者が連携して社会保険の加入を推進していく重要性を指摘。会員企業に同省の取り組みの趣旨について理解を促し、受注者から誓約書の提出があった場合はこれを受領するとともに、受注者には誓約書の提出を呼び掛けるなど、同省が推進している社会保険加入促進の取り組みに協力するよう求めた。
同省は「社会保険の加入に関する下請指導ガイドラン」における「適切な保険」の範囲についてはすでに注意点に関する事務連絡を建設関係団体などに送付。1月15日に開いた第2回建設業社会保険推進連絡協議会では、民間発注工事でも「誓約書」の活用を推進する一方、さらに社会保険の加入を促進するため、労働者が加入すべき「適切な保険」をフローチャート形式で確認でき、関係者が加入を指導できるようにする取り組みを推進することを申し合わせていた。
提供:建通新聞社