建設業振興基金は、工業高校生の就職意識についてアンケート調査を行った。調査結果によると、企業による学校訪問などの求人活動が解禁される7月1日時点で、入社を希望する会社を決めていたと回答した生徒は全体の44%。解禁日の前に希望する企業の情報を調べていた生徒は52%と半数を超えていた。
調査には昨年8〜11月に行われ、東京都と神奈川県の建設系学科に在籍する工業高校生(3年生)111人が回答した。
回答した生徒のうち、就職志望の産業を「建設業」とした生徒は全体の70%で、「公務員・その他」の16%が次いで多かった。中学校卒業までに建設業を志望するようになった生徒は48%で、高校3年生で志望を決めた生徒は28%だった。志望理由には「親や親戚などがやっているから」と縁故を挙げる生徒が最も多かった。
工業高校生に対する企業の求人活動が解禁される7月1日時点で入社を希望する企業が「決まっていた」と答えた生徒は全体の44%で、「決まっていない」の45%とほぼ同じ割合。7月1日以前に入社を希望する企業情報を調べた生徒は52%で、調べたことがない生徒の38%を上回っている。
解禁日前の情報収集の方法としては▽前年の求人票▽ホームページ▽パンフレット▽現場見学―を挙げる生徒が多い。
工業高校生が求人票で重視するポイントは「勤務時間・休み」が最多。給料は、初任給よりも年収を重視する傾向が強かった。
振興基金は、今回の調査結果とともに、建設企業による工業高校生に対する採用活動、工業高校の進路指導の実態を事例集としてまとめ、ホームページ(http://www.kensetsu-kikin.or.jp/)に掲載している。事例集には、高校生を採用する際のルールとスケジュール、工業高校の進路指導の流れなども紹介している。
提供:建通新聞社