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2018/01/17

法定福利費 高い次数ほど受け取れず

国土交通省は、全国の建設業許可業者を対象に行った法定福利費と賃金の支払い実態調査の結果をまとめた。これによると、法定福利費は高い次数の下請けほど受け取ることができない傾向が強く、法定福利費を100%確保できた民間工事の割合は3次以下の下請けで30%を切った。賃金の実態を見ても、3次以下の下請けほど引き上げたと回答する企業の割合が低い傾向にあった。
 調査は、社会保険加入対策が2017年度に目標期限を迎えたことを受け、法定福利費の確保と賃金動向の実態を改めて把握するために行われた。回答企業数は6888者。
 法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)を直近の現場で提出した1次下請けは、公共工事で52・7%、民間工事で47・6%といずれも半数程度。2次下請けでは、公共工事で45・8%、民間工事で43・1%と割合が低下し、3次以下の下請けになると、公共工事で31・6%、民間工事で31%までその割合が減少している。
 法定福利費は、公共・民間工事のいずれでも、高い次数の下請けほど受け取ることのできない企業の割合が高い。公共工事で法定福利費を100%受け取ることができた企業は、1次下請けで49・1%、2次下請けで43・7%、3次以下の下請けで41・7%。また、民間工事では、1次下請けが43・4%、2次下請けが38・5%、3次以下の下請けが25・6%とさらにその割合が低下する。
 賃金は、公共工事、民間工事に関わらず、職階(職長、班長、その他の技能者)に応じた賃金水準となっているが、3次以下の下請けでは賃金を引き上げたと回答する企業の割合が低かった。公共工事、民間工事を問わず、元請けから2次下請けまでは40〜50%が賃金を引き上げているものの、3次以下の下請けになると30%台にとどまっている。

提供:建通新聞社